文部科学省指定校事業
教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)
の視点からの学習・指導方法の改善の推進事業

新潟大学教育学部附属新潟中学校
平成30年度10月19日(金)


教育研究発表会

 平成30年10月19日(金),当校の教育研究発表会を開催いたしました。文部科学省指定「教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習・指導方法の改善の推進」の指定校として,新学習指導要領のキーワードである「主体的・対話的で深い学び」を具現化する実践研究の成果を発信させていただきました。
 北海道から九州まで全国津々浦々より
約650名の皆様からご参加いただきました。誠にありがとうございました!これからも附属学校としての責務を果たし,皆様のお役に立てるよう研究に尽力して参ります。来年度も新潟大学教育学部附属新潟中学校の教育研究発表会にぜひお越しください!!


≪当日の様子≫









≪研究会の内容≫(再掲)
1 当日のスケジュール
 受 付( 8:40~ 9:05)
 全体発表( 9:10~ 9:40)
 公開授業Ⅰ( 9:55~10:45)
 公開授業Ⅱ(11:00~11:50)
 フォーラム(12:35~13:40)
 協議会 (13:55~15:15)
 講演会 (15:25~16:35)

2 全体講演ならびにフォーラム
全体講演会

資質・能力をどのように育成し,どのように評価するのか
~「深い学び」を考えることを通して~
京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授
講師 
松下 佳代 様
<講師プロフィール> 専門は教育方法学(特に,能力論,学習論,評価論)。能力はどう形成され評価されるのかに関心をもち,初等・中等教育と高等教育の共通性と差異に着目しながら研究を進めている。主な編著書に,Deep Active Learning(Springer,2017),『アクティブラーニングの評価』(東信堂,2016),『ディープ・アクティブラーニング』(勁草書房,2015),『〈新しい能力〉は教育を変えるか』(ミネルヴァ書房,2010),『パフォーマンス評価』(日本標準,2007)など。現在,大学教育学会副会長,日本カリキュラム学会代表理事,日本教育方法学会理事,日本学術会議会員。

全体講演会
ブース①
新学習指導要領で求められる
学 習 評 価 について
京都大学大学院
教育学研究科 准教授
石井 英真 様
文部科学省・「教育課程部会 児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ」委員としてご活躍されている石井先生から,学習評価についてご講演いただきます。また,附属新潟中学校の取組を皆さんと共有します。

ブース②
新学習指導要領で求められる
カリキュラム・マネジメント について
東洋大学 食環境科学部
食環境科学科 教授
後藤 顕一 
全国の数多くの文部科学省研究開発学校運営指導委員,前国立教育政策研究所総括研究官を歴任されている後藤先生から,カリキュラム・マネジメントについてご講演いただきます。また,附属新潟中学校の取組を皆さんと共有します。


3 研究内容について
 当校で育成したい資質・能力は,「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力」「人間性」「メタ認知」の4つです。これらを,確かな形で育成するためには,授業で生徒が資質・能力を発揮し,資質・能力の高まりを実感することが大切です。そこで当校では,本研究主題で目指す生徒の姿を次のように設定しました。
【目指す生徒】


 この姿を具現するためには,どのように授業を工夫すればよいでしょうか。当校では,これまでの研究成果を踏まえ,次の三つを提案します。 「意味ある文脈での課題設定」「対話を促す工夫」「学びの再構成を促す工夫」です。これらを「確かな学びを促す3つの重点」と定義しました。
【確かな学びを促す3つの重点】


 今年度は,「学びの再構成」に焦点を当てて研究しています。「学びの再構成」とは,課題解決の過程で,様々な事象を通して,生徒が知識及び技能を捉え直し,相互に関連付け,構造化していくことです。研究の実際から,「学びの再構成を促す工夫」は,各教科等の特性に応じて,二つの過程を手掛かりに構想することが有効であると見えてきました。

【学びの再構成】

 これらの働き掛けにより,生徒は,課題解決の過程で,教科等の資質・能力を発揮しながら知識及び技能をとらえ直し,相互に関連付け,構造化していきます。そして,単元最初と最後の身のまわりの世界の見え方やかかわり方が変容したことを実感し,教科等を学ぶ意味を見いだすのです。


≪アンケート≫多くのご意見・励ましのお言葉をいただき,ありがとうございました。アンケートの一部を紹介いたします。
○国語
・リテラチャーサークルを用いた説明的文章の指導,大変興味深く拝見しました。学力にバラつきのある学校でも実践するための工夫もお聞きできたらと思いました。ぜひ今後,自分の授業に取り入れていきたいと思います。ありがとうございまいした。
・生徒の教材・資料への真剣な向き合い方に感心しました。板書の美しさに圧倒されました。ありがとうございました。

○社会
・どの班も熱い話し合いが行われていた。教材研究の深さはなかなか真似ることができないほどだと思いますが,自分もがんばろうと思えました。
・自分も地域教材の開発を大切にしている中,中学校での実践は珍しく,大変参考になった。

○数学
・数学的活動を促す課題設定がうまいと思いました。あとは教師が案内役としてじっくり個の段階で深まりを確かめてから生徒同士の交流を図る指示・発問に徹していて学習の主体がはっきり見える授業でした。参観させていただいてとてもためになりました。
・課題が魅力的でした。数学では最初が大切だと思います。また思考の流れを逆にしたのも学びの再構成が生徒たちにしっかりできていたと思います。

○理科
・非常にレベルの高い授業を見ることができて,非常によかった。本校に戻って実践してみたいと思った。プログレスカードも参考にさせてもらいたい。
・生徒が課題に向かう姿勢がとてもよく,一人一人が自分の中に疑問から課題を持ち向かう姿勢を見て,私もそのような授業をしたいと強く思いました。

○音楽
・とても参考になりました。「学びの再構成を促す工夫」が具体的な形となって実践されました。生徒の主体的な活動,学び合いの交流が見られました。
・合唱コンクールに向けた指導に悩んでいた現在でしたが,授業を参観して,グループ活動や付せんを用いる等の多くのヒントをいただきました。

○美術
・文脈を大切にする取組はすばらしいと思いました。
・協働的な学びの姿がすばらしかったです。

○保健体育
・新しいスポーツで,これから自分自身も実践していきたいと思いました。授業内での伸びがとても大きく,すばらしい指導をされていたと思います。
・子どもの名kあで何が起こっているのかをとらえ,指導,支援,工夫に活かす取組に共感できました。条件を変えていくことで,それを子どもの知識・技能の再構成につなげている提案は大変参考になりました。

○技術・家庭科 技術分野
・興味深かったです。技術要素が確実に生徒に身に付いているため,活発な意見交換ができていました。
・すぐにでもマネをして実践してみたい授業でした。遠くから見に来た甲斐がありました。

○技術・家庭科 家庭分野
・考えていたことを実践し,確認できる授業で,実習で終わらないところが大変良かったです。
・丁寧な授業研究に基づいた実践,勉強をさせてもらいました。生徒たちがいきいき活動していました。

○英語
・学びの再構成の設定がとても自然な状況で行われていたこと。型を即興的な部分でのやりとりの力を高めることが特に参考になりました。
・様々な状況下で相手に合わせた対応を身に付けられると思いました。積極的に生徒が英会話する機会がたくさんあり良いと思いました。

○特別活動
・子どもが生活を見つめ直して課題を探すだけでなく,アンケートを取って改善し,さらに振り返っていた。PDCAサイクルがとても身に付いていてすばらしかった。
・生徒が主体となり,活発に話し合いが行われているのが印象的でした。日頃の指導の積み重ねと感じ,その「積み重ね」をもっと知りたいと思いました。

○道徳
・「命に向き合う」という主題で計画された4時間の内容が,資料や生徒の活動ともに素晴らしかった。
・素敵な授業でした。どの子もそれぞれ思う立場に立ち,またそれぞれが大切にしていることが表れている話し合いの姿を見せていただきました。

○総合的な学習の時間(探究)
・先生の人柄が伝わり,生徒の個々の考え,グループの考えをうまく引き出していた授業であったと思う。抜群のファシリテーターであり,真似ることはできないが大変刺激受けた。ゲストティーチャーとして今までかかわった方々も参観されていて最後感動的な言葉を述べられていて心に残る研究授業になっていた。
・先生と生徒との信頼が良く見えました。本当におもしろかったです。

○全体
・参加させてもらって非常に勉強になった。自校に戻ったときに他の先生方にも参加したことを伝え,実践に使ってもらえるようにしたいと思います。
・毎年,この研究会へ来て,刺激をもらっています。
・子どもたちの学びに対する意欲,学級をよりよくしようとする向上心に感動しました。日頃の成果だと思います。今回受けた刺激を自分の学校で還元したいと強く思いました。ありがとうございました。
・自分の日々の授業実践を改めて見直す機会となりました。自分の実践に取り入れられるところは,どんどん参考にし,また同僚の教員にも共有していきたいです。
・大変有意義な研究発表会でした。本当に来てよかったです。一点残念だったことはフォーラムが片方しか参加できなかったことです。両方参加したかったです。


≪当校の書籍≫
○ 当校の書籍「附属新潟中式『3つの重点』を生かした確かな学びを促す授業」(東信堂)
 
Amazon紀伊國屋Junk堂7ネット楽天ブックスなどで絶賛販売中,また東信堂からも注文できます。

 
【日本教育新聞(平成30年2月19日付)の書評より一部引用】
「『見方・考え方』を手がかりに,型ではなく,生徒の学びの姿において教科の本質を追究する実践」であり,「3つの重点」で構成する授業が「最適解を自分たちでともに創る過程で本質的なプロセスを経験する『知識構築学習』がデザインされている」という研究者による巻頭言での同中実践への評価は,新学習指導要領の趣旨を実現する授業づくりを考える際の課題の在りかを示したものともいえ,第1章「理論編」も熟読したい。」


≪研究に関するお問い合わせ≫
研究に関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
新潟大学教育学部附属新潟中学校
研究主任 上村 慎吾


TEL 025-223-8341
FAX 025-223-8351